こんにちわ。オノコムの斧山です。
4月に入り新しい生活が始まった人も多いと思います。記事でも良く目にするのは新人世代のキャリア選択についてです。AIが登場したことでAIと競合を避ける、いわゆるデジタルはさけてフィジカル、ブルーカラーの選択が増えているなどです。
当社も勉強会やお客様との間で、AI時代における人材育成についてお話することも多くなりました。当社でも同様の課題を感じており、今現在感じている課題を整理しつつ、どのような人材が求められるのかまとめて見たいと思います。
AI時代に求められる人材
すなわちAIに指示を出し、その結果を適切に扱え、自分の仕事の糧にできる人材です。逆に言うと、どのような人材がAIと競合してしまうのかという点も重要です。
まとめると次の通りです。
- AIに目的を与えられない
- AIが出力した内容を精査できない
つまり、入力と出力を上手く扱えない人になります。これはChatGPTなどのチャット型のみにとどまらず、コーディングを行うClaude CodeなどのAIエージェントにも通じるものとなります。
AIの出てきた出力をそのまま正として扱ってしまう。AIが出した答えに反論しない、異を唱えない。なども特徴としてあります。これには出てきた答えを自分が与えたコンテキストが元になっていると考えられないといけません。そして、与えた目的に対して正しい答えとなっているのかの判断が求められます。
具体的な問題となるケース
企業内で全社に向けてチャット型AIツールを導入しているところも多いと思います。それで営業資料や社内報告書を作成するなど行っているケースがあります。プロンプト自体を共有して、同じ結果が出るように調整をしているところなどはよいのですが、各個人に使い方を任せてしまい、出てくる資料に振り回されるというケースも少なくないと思います。
このケースにおいては、各個人がAIとどのような会話をしているのかというのがわからない点です。正しいディスカッションの方法など教わっても、実際に利用できているのかどうかがわかりません。
AI時代の人材育成について
AIツールの使い方、AIモデルとの会話の仕方を教育する場合、二通りの方法があるかと思います。
1つめは隣に座り実際のAIとの会話を見る、もしくはマルチチャットが可能なシステムを用いて部下のAIとの会話を管理監督して指導する方法です。ただし、これは手段の矯正としては効果がありますが、本当の意味でAIに指示を出し、出力を判断して、責任を引き受けることができるようになるかはわかりません。
AIを使わない本質的育成
そして、2つめはAIツールから少し離れて、目的理解と抽象化理解を覚えてもらう方法です。AIの使い方なのにAIを使わず、課題に取り組む方法です。これはパソコンからも離れて、今行う作業の目的は何であるか、目的を達成するための目標はどうあるべきか、その実現をさせる手段はどうするのか、などの理解ができるように訓練します。また、その構成する情報は、事実と、仮定と、仮説とわけて、事実ではないことを目標の足場にしたり、手段に組み込んだりしないように切り分けの訓練も行います。
目的理解が求められる背景
AI以前の旧世界では、人間自体が作業を行うことに価値がありました。もちろん今でも職人技、専門職、その人にしかできない作業というのは価値は変わらず貴重なものとしてあります。しかし、デジタル分野においては、AIは強力な競合相手として進化をしています。悪い言い方をすれば、作業自体には目的理解を得なくても、その特定の分野に対して深化を表し、特化することで価値を出せる領域がありました。
しかし、前述の通りAIが登場してエージェントとして進化をすることで、デジタル分野から強力な浸食を受けています。その結果、AIに関わる仕事をする人は、レイヤーを上位にあげてAIに対して指示、監督をする役割に自然の変化が求められています。
これは部下を持つ中間管理職以上の役割の人については、部下への指示や管理監督を行うという意味では経験が生きる分野です。その他、プロダクトマネージャーや、プロジェクトマネージャーという管理自体が役割の役職の方もそうです。
ただし、前述のように管理ではなく作業を役割としてきた人、または新人世代として仕事に初めて参加をする人はこのような部下を持ち管理監督する役割の経験がない方も多いです。
AIと対面を行う場合、この経験が無いと、正しくAIに目的を入力できない、出力された情報が目的に沿って正しいものとなるか判断がつかない、結果そのまま利用していまうなどの事故が起きてしまいます。
認知バイアスについて
役割においてだけではなく、人には認知バイアスがあります。これは各個人において異なります。優劣の話ではなく個人の固有のものとして差違があります。AIと上手く協業して働くことができるようになるには、この認知バイアスの自己の把握が重要です。メタ認知が得意な人もいれば、苦手な人もいます。私は認知の専門家ではないため詳しくは言及しませんが、この認知バイアスは目的理解と深い関係があるかと思います。自己の特性を理解して、苦手を補い、メタ認知に対する理解を深めることがAIのただしい使い方への重要な道しるべとなると考えています。
AIエージェントの活用
人材育成について、2つの方法があり、その1つであるAIと離れて目的理解を深める方法を説明しました。しかし、いつかはAIエージェントを使い始めて活用していくことも求められます。
当社オノコムでは、人材育成とそのフィードバックのためのAIエージェントを開発しています。
ペンジーくんです。https://pengi-kun.ai/
ペンジーくんはマルチモデルのマルチチャットのタスクエージェントを内包したWEBフロントエンドを構成したAIエージェントです。タスクをこなすという目的もこなせますが、真の目的は人材育成にあります。
2つのうちのもう1つの、AIの使い方を見て覚える、という補佐を可能とします。マルチチャットで上司が会話に入り、目的を正しくAIに伝えられているか、出てきたフィードバックに対してただしい評価が行えているかチャット上で確認をします。
また、それとは別に、利用する社員の方の承諾を経て、会話内容をバックグラウンドで可視化することも可能です。テレメトリーと合わせて会話内容をAIエージェントによりまとめて、可視化を行います。その他、人間の補佐としてペンジーくんにはタスク管理や、指示を行えるタスクエージェントとしての機能を備えています。AIが人間に指示を出すことは危険なようにも見えますが、適切な権限管理の元、苦手分野を補う形で使用できると人間とAIの協業も実現可能と考えます。
なお、情報取得は厳格に行われるべきで「評価・査定目的ではなく育成支援に限定」「本人が閲覧できるフィードバック」「可視化のオン/オフ選択」がされるべき事項であることは注意として記載します。
育成方法のまとめ
オノコムではAI時代の人材育成について、AIツールの使い方だけに頼らない、目的理解と抽象化理解の本質的理解に努める、AIエージェントを人材育成の補佐として利用する、利用状況を可視化してフィードバックとして利用する、などです。
当社でもまたこの分野は一律の正解となる答えはなく、個社ごと、個人ごとに課題も異なると考えており、今後もペンジーくんを使い、オノコムメンバーズという課題定義とPoC伴走型支援サービスを主軸に課題解決が行えるよう邁進していきます。